糖尿病の合併症
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糖尿病の合併症は、知らない間にじわじわと進んでいくのでとても厄介な病気である。糖尿病の合併症には、急性合併症と慢性合併症の２つのタイプがある。
１．急性合併症
・低血糖症： 経口血糖降下薬や、インスリン注射をしている人で食事時間が普通より遅れたり、食事の量が極端に少ない場合などが原因で発生する。痙攣、冷や汗、飢餓、頭痛、動悸等の症状が急速に起こる。この様なケースは、すぐ飴や、ジュース等の糖分を補給しなければならない。
しばらく待っても症状が改善しなければ、また糖分を補給し、症状が改善すれば、低血糖昏睡を防ぐために、病院で治療を受けなければならない。
・ケトン中毒症： インスリン依存型糖尿病の発症時等にみられ、インスリン作用の欠乏よる代謝異常が特徴。
例えば、肺炎、急性胃腸炎等の病気においては、インスリンがほとんど分泌されず、糖を補給することができないために、脂肪を分解し、糖からエネルギーを補給する代用として脂肪からエネルギーが取り出される。この時に、脂肪の燃えかすとしてケトン体が増えてくる。
ケトン体は弱酸性だが、血液中にたくさん貯まると、アシドーシスといって血液が酸性に傾いた状態になる。この時、ケトアシドーシス症状として、高血糖、脱水、呼吸異常、低血圧等となるので、早急に医師の治療を受ける必要がある。
・神経病変： 糖尿病の神経病変については、中枢神経病変、末梢神経病変、多発性神経病変、糖尿病性筋肉萎縮病変、及び自律神経病変の五種類がある。 以上のような様々な神経病変については、血液循環障害や、新陳代謝異常との関係がある。
・乳酸中毒症： 糖尿病患者においては、脱水、昏睡等の症状により、血液の循環障害が起こるため、体内の二酸化炭素が不足し、代謝機能も乱れることになって、乳酸が出て、乳酸中毒症が起こることがある。これが乳酸中毒症と呼ばれるもの。
２．慢性合併症
・目の病変： 多くの糖尿病合併症患者においては、目の病変がよく見らる。この原因は、水晶体、硝子体、及び網膜の病変により発生する。水晶体の異常による「白内障」は手術によって治療するすることができる。しかし、網膜症は毛細血管に変化が起こって、毛細血管瘤と言うこぶができたり、また、血液成分がしみだしたり、毛細管が閉塞したりして、増殖性網膜症になると、視力障害が起こる。
・腎臓病変： 腎臓は泌尿器の一部であるが、腎臓に関する病変により、他の泌尿器にも影響に与えるのである。一番よく見られる症状には、膀胱炎、糸球体硬化症、腎不全による尿毒症等がある。また、糖尿病歴が長ければ、長いほど腎臓病変の率が高くなる。
・非ケトン性高浸透圧性昏睡症： インスリン非依存型糖尿病の発症時等にみられ、または、現在まで糖尿病の発病したことない人もよく見られる。多尿、脱水、昏睡等の症状が起こり、よく脳卒中と誤診され治療が遅れることもある。
・動脈硬化： 脳、心臓、腎臓、及び未梢血管の動脈硬化においては、脂肪代謝の障害が主な原因。脂肪代謝の異常とは、インスリン分泌が欠乏し、血液中の中性脂肪を脂肪組織に取り込む時に使用されるリポ蛋白リパーゼと言う酵素の働きが落ちて、VLDLが増加し、逆にHDLは減少すること。そのため、血液中に中性脂肪やコレステロールが増加して、血管壁にたまりやすくなり、動脈硬化を促進させることになるのである。また、高血圧症も動脈硬化になり易いと言われている。
・歯の病変： 糖尿病が歯周病を発生し易くする理由は、高血糖状態により、白血球の機能不全等免疫機構に異常がおこり、口腔内に常在する細菌の種類や細菌叢の変化になるためである。予防の方法は、口の中をきれいにしょうとする自助努力をし、毎食後の歯磨きをし、口の清潔、健康を保つこと。
・足部の病気：糖尿病の足の合併症は以下の３つの症状がある。
１． 神経病変
２． 血管病変
３． 感染症
実際に多くの糖尿病患者は、足部についての病気を悩んでいる。症状が重い場合には、足の切断しなければならないこともある。
糖尿病は、合併症が進まなければ、普通の人とほとんど同じように生活できるので、合併症の発症を防ぐことが重要なポイント。
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